2015年11月8日日曜日

Leftöver Crack の新譜について

Fat Wreck Chords のサイトに Leftöver Crack の新譜に関する情報が載ってたので、ざっくりと和訳してみました。




--------以下、和訳


噂が飛び交ってるようだね!Leftöver Crackはパンクロックの領域では依然としてミステリアスな集団の一つだ。自己療法のカオティックなミクスチャーと社会を題材にした執拗な主張によって活気づいてきたこのニューヨークシティーの5人組は、伝説的な不法占拠集団Choking Victimが消滅してからも“That Crack Rock Steady Beat”を世界に轟かせ続けてきた。CVの主要メンバーであったScott“Stza Crack”Sturgeon(ボーカル)と Alec“Shibboleth”Baillie(ベース)がいるLöCは、警察国家、宗教、政治の腐敗、下層階級の苦しみ、その他幅広い内容について、皮肉をこめた歌詞と、激しくもゆがんだ歌い方で、批判的に真剣にメッセージを訴え続けてきた。南カリフォルニアパンクの雄Brad“Minus”Logan(ギター)や、最近の戦力であるDonny“skillets”Morris(ドラム)、Chris“the man”Mann(ギター)もメンバーに構え、このバンドが(ついに・・・)本気を出した。

悪名高いLöCのフロントマンStzaとその仲間たちは苦難に満ちた過去があったが、団結して逆境に立ち向かい、成長してきた。バンド初期には、「かつてパンクレコードレーベルEpitaphに招かれ、レコーディングし、その後打ち切られ、都合の良いように人質に取られていた」(バンド談)。2001年にMediocre Genericaをリリースし、続いて有名なプロデューサーSteve Albiniとコラボして2004年にFuck World Tradeをリリースし、それから10年の時が経って2010年代に焦点を向けてきて、彼らは執拗なメッセージと精力的なライブショウによって独自に鋭く成長してきた。

今、14年目にしてリリースする3枚目のフルアルバムConstructs of the Stateが勝負どころだ。これは大きな賭けだと考える人もいるだろう。しかしLöCは決して揺るぎ無い。Stzaによると、「2011年にStar Fucking Hipstersの3作目に没頭していたときからこのアルバムに向けて曲を作り続けてきた。Leftöver Crackの新しいLPのリリースについて唯一気がかりだったのは、先の2枚のアルバムでやってきたことを超えられるかってことだった。俺は基準を満たすまで録音に取り掛からなかったんだ」とのこと。バンドは2012年から新しいアルバムに向けて取り組みを始め、何曲かレコーディングを行っていたようだ。Stzaが言うには「俺たちは数年間このアルバムに取り組んでいて本当に終わりが見えなかった。この春(2015年)に旋律、歌詞、録音できる体勢が突然増加してやってくるまでは。それから俺たちは完全にリリースを待つのみになったんだ」。

11月27日、Fat Wreck ChordsはLeftöver Crackの第三弾:Constructs of the Stateをリリースする。これには豊富なスペシャルゲストが参加している。当然ながらパンクバンドから同じようにヒップホップに影響を受けたバンドだったり、アナーコパンク、クラスト、メタル、スカに影響を受けたバンドだったり、80年代のポップスやビートルズに影響を受けたバンドなんかも参加していて、幅広い影響が詰まっているのが目玉だ。録音にあたって、ある意味最高で反則的な音楽資源をスタジオにもたらしている。それはOperation Ivyの Jesse Michaels、CRASSのPenny Rimbaud、The Dead MilkmenのJoe Jack Talcum、さらには友人や仲間であるThe Bouncing SoulsDark Dark DarkBlackbird RaumMischief BrewDays N DazeChewing on TinfoilThe Riverboat GamblersRats in the WallIntro5pect、そしてカリフォルニア州オークランドで不可欠なクラストパンクバンドReiversの Kate Coyshだ。この悪名高いバンドからこれまで以上の“Atheist Anthems(無神論者賛歌)”や“Crack Rock Steady Beat”を期待して欲しい。彼らは煽り立て、攻撃的で、ファックパンクで、騒々しさがありながらも踊れる不協和音をお届けする。とは言え、彼らの3作目は凄まじいながらもメロディックなカコフォニーであることに変わらず、人種差別、性差別、同性愛嫌悪、警察、政府、ファシスト主義に対抗するという彼らの核心にある倫理観は決して曲げていない。Leftöver Crackはこの崩壊した社会と瀕死にある世界の症状を診断しに戻ってきた。犠牲者の怒りに気をつけろ!

2015年10月25日日曜日

#96 Still Alive

周知の通り、来月11月27日に名門パンクレーベル Fat Wreck Chords から Leftöver Crack のニューアルバムがリリースされることに!

Crack Rock Steadyシーンにおいて神的存在である Leftöver Crack が11年ぶりにフルアルバムをリリースするというだけあって、あちこちから喜びの声が聞かれる。
この11年間、多くのCRSバンドも生まれた。彼らは Choking Victim/Leftöver Crack が作り上げたCrack Rock Steady音楽を崇拝し、シーン化させ、盛り上げようと活動してきた。今回 Leftöver Crack のアルバムリリースに大きな期待が集まっているのは、そんなCRSバンド勢の存在があったからこそに違いない。

そんなCRSバンド中で、今紹介しておきたいバンドがこれだ。この夏ニューアルバムをリリースし、株価上昇中のCRSバンド、Still Alive!!





Still Alive はアメリカ/シカゴで結成された4ピースバンド。2009年に活動を開始して以来、Ska Punk界隈でじわじわと人気が上がってきている。これまで The Suicide Machines 等の大物Ska Punkバンドとの対バンを実現させている他、この秋には Leftöver Crack との対バンも予定されており、現在進行形で株価上昇中のバンドだ。


2012年に1stアルバム『Trials』で鮮烈なデビューを飾ったわけだが、何ともMetal色の強いこと。Skacore/Hardcoreを基調しながらゴリゴリのMetalのリフをナチュラルにぶっこんでくる辺りはセンスの良さが感じられ、このサウンドを単にCRSと評価するにはもったいなく、Skacoreのニュー・ウェーブ的サウンドと評価しても良いかもしれない。アルバム『Trials』は全体的に攻撃的な内容に仕上がっているが、Ska~Hardcore~Dubへのドラマチックな展開をキメるナンバー『1134』や、ホーンの音色がやさしく包むナンバー『Don't Hold Your Breath』などがあって、幅広さが感じられる。


2013年には2枚のEPをリリースして今年8月25日、ニューアルバム『Choices』をリリース。知る人ぞ知る Jump Start Records よりリリースされている。
Beng Beng Cocktail の2ndアルバムとまさかの丸かぶりのタイトルに自分は困惑してしまったが、内容は文句なし。1stアルバムよりさらに進化し、ガツンと突っかかって来るStill Aliveサウンドは圧巻である。CDでのリリースありということで、これはもう購入するしかありません。オススメです!


国:
アメリカ

メンバー:
Dan - ギター、ボーカル
Dom - ギター、ボーカル
Bryan - ベース
Mikey - ドラム

活動期間:
2009年~

作品:
2010 - Demo 2010
2012 - Trials
2013 - My Own Hell
2015 - Choices




2015年8月30日日曜日

新作情報 [Dead Rejects - Could Be Worse]


Dead Rejects のニューアルバム『Could Be Worse』が本日 bandcamp にてリリースされました!

前作のアルバム『This Is Killing Me』がまだ記憶に新しいが、その前作のリリースからわずか1年とちょっとしか経たないうちでのリリースということで、勢いが感じられる!


本作品は8曲入りと、ミニアルバム的な感じに。
相変わらず哀愁あるCRSチューンを爆発させていて、Dead Rejects らしいアルバムになっていました。爆音で聴くことをおすすめします。

今回も Night Gaunts に Positive Junk と、今超勢いのあるCRSバンドが2組もゲスト参加している。(豪華!)

今のところbandcampだけでのリリースだが、いずれCDでのリリースもあるだろうから、待つべし!
もっとも、本作品は例のIndiegogoキャンペーンによって制作されたものなので、それに参加した人はもうすぐ自宅に届くことでしょう。私も参加しました!



2015年8月23日日曜日

#95 Король Бород (King of the beards)

世界にはまだまだ凄いCRSバンドが埋もれていると思いながらも、そう凄いCRSバンドには出会えないと思っていたら、とんでもないCRSバンドに出会ってしまった。


先日、bandcampでCRS音源巡りをしていたときに "Where is your God!?" と題されたアルバムに辿り着いた。

王様が白骨化した姿を描いた暗いジャケットがCRSな雰囲気を醸し出していて只ならぬ気配を感じたが、サウンドもそれに負けていなかった。はっきり言って感動ものだった。このアルバムが公開されたのは今年の6月末とわりと最近だが、誰かに発掘されている様子は全く感じられなかった。自分は速攻そのアルバムを購入し、音楽プレイヤーにダウンロードした。それから約1週間、自分はそのアルバムの虜になっている。

この夏、Король БородというバンドがCrack Rock Steadyの超傑作を生み出したんじゃないかと思うくらい、凄い内容のアルバムになっている。




Король БородはロシアのCRSバンド。

ちょっとだけロシア語を勉強してみたので「コロリ・ボロド」と読むことが分かったが、正直自信はない。英語表記の "King of the Beards" でバンド名を覚えたほうがいいかもしれない。ちなみに意味は「あごひげの王様」だ。

このバンドについて色々調べてみたが、詳細はまったく掴めなかった。メンバーが何人いるのかも、どんな構成なのかも。わかっていることはロシアから最近現れたCRSバンドってことだけ。


バンドの詳細は分かり次第改めて紹介するとして、とかくアルバム Where is your God​!​? を聴いてみてほしい。全曲ドタバタなCRSチューンで、絶望的に歌い上げるボーカルの声が良。Crust~Black Metalあたりの要素をガッチリ取り入れながらも、軽快なピアノの音を入れ込んで爽快感を出すあたりにはもう脱帽。アルバムの最後にはカバー曲が入っているが、Dancehall Satan をカバーするあたりがにくい。全曲を通して本当に素晴らしい内容に仕上がっている。


自分が彼らの存在を知ったあとにFacebookで彼らのページ を見つけたのだが、自分が見たときにはまだフォローしてる人が4人しかいなかった。その数日後にまたFacebookを見てみると、初めてbandcampでダウンロードしてくれた人がいることを告げていた。どうやら、bandcampで彼らの音源をダウンロードした人は自分が最初だったらしい。


そんなわけで、Король Бородはまだほとんど世に知られてないバンドだが、凄まじいCRSバンドを発掘できたことにこの興奮が止まらない。


国:
ロシア

作品:




2015年8月16日日曜日

#94 G.G. Nonsense

いきなり私事から入りますが、先々月 Satanic Geek Mafia Records からリリースされたコンピ Riot Sound System vol​.​2 をかなり気に入ってまして、頻繁にこれを聴いてます。
内容がCRSすぎて本当に素晴らしいので、まだ聴いてない人はぜひ聴いてみてください。

実は今回紹介するバンド『G.G. Nonsense』はそのコンピのVol.1から参加してるバンドで、ずっと気になって仕方がなかったバンドだったので調べてみました。




G.G. Nonsense は意外や意外、ロシアのCRSバンド。
メキシコが拠点の Satanic Geek Mafia Records とはどこに接点があったのか?

それはさておき、彼らのサウンドがユニークすぎて面白い!

ロシア語で歌ってるっていう時点で我々日本人にとっちゃ珍しくてユニークなのだが、曲の構成がとにかく面白い。

ホーンとアコーディオンを使ってめちゃくちゃ陽気なスカを鳴らしてきたかと思いきや、突如天と地がひっくり返ったようにヘヴィメタルなダークサウンドに変えてきて、すぐにまたスカに戻したり・・・
やってることはめちゃくちゃなんだけど、それが逆に痛快でツボってしまう。

ボーカルはハードコアに歌ってて所々シャウトしてて、そこにCRSさが感じられる。その歌い方と全体のリフを含めて、確実に耳に残るようなセンスあるサウンドになっています。

作品はEPを2枚出してるのと、Asian Terrör とのスプリットを1枚出している。G.G. Nonsense はbandcampを作ってないようなので先のEP2枚は適当なところから音源を拾ってくるしかなさそうだ。スプリットのほうは Asian Terrör のbandcampからダウンロードできる。

マトリョーシカを開けてみたら天使と悪魔が交互に出てくる展開が待ってる。G.G. Nonsense はそんなバンドです!


国:
ロシア

メンバー:
不明

活動期間:
2008年~

作品:
2012 - Успех EP
2013 - Дешево EP
2013 - Tequila and Vodka(Asian Terrör とのスプリット)



2015年8月9日日曜日

V/Aもの その⑭


アメリカ/カリフォルニアはオレンジ郡のDIYレーベル No Time Records からCRSな内容のコンピ『No Time For Fun Vol. 1』がリリースされました!


No Time Records といえば以前 Choking Victim のフォークトリビューアルバム『Load Yer Pipes: A Folk​-​Punk Tribute to Choking Victim』をリリースしたことで紹介してますね。


さて、このコンピで彼らがやってくれました。
北海道の問題児スカパンクバンド Free Kick も参加!Satanic Geek Mafia Records のコンピに参加した U Can't Say No! に続く快挙!
Free Kick のフロントマンHIDEKI氏曰く、「遂にNo Timeが俺達を認めたんだぜ!」と。
この発言の真意のほどはわからないが、彼らが世界進出することに脅威を覚えてしまうのは何故でしょう。


まぁこのコンピには他にも凄いところがあって、まずCRS界のレジェンド Public Serpents が参加してること!(本当はこれが一番凄い。)

Public Serpents は1stアルバムリリース以降、メンバーがバラバラになって活動休止してたのだが、Skwertが最近になってメンバーを1から募ってバンドを再始動させようとしているのだ(近々アルバムを制作するとの情報もある)。
というわけで、Public Serpents 再始動の第一歩としてこのコンピのトップバッターを飾っており、「俺たちはまだまだやれるぜ!」というSkwertの声が聞えてくるようで熱い!


その他の参加バンドとしては Union JackThe Stupid Stupid Henchmen などの有名どころから超絶マイナーなCRSバンドまで多数参加していて、全24曲入り!まぁ、正直なところ全体的にやや地味な内容かなという印象を受けました。

CDでのリリースも予定されており、bandcamp から予約できる。5ドルなのでめっちゃ安い!


最近はCRS系のコンピが色んなレーベルから立て続けにリリースされていて、なんだか勢いが感じられる。せっかくフリーで提供されてるコンピも多いので色んなCRSバンドの音源を聴きまくってCRSをエンジョイしよう!



2015年7月26日日曜日

Leftöver Crackのニューアルバムリリースが正式に決定!

ついに待ちわびた瞬間がやって来た。


Punknews.org によると、Leftöver Crack のニューアルバムが10月30日にリリースされるとのこと!!

ミキシングは既に終えており、アルバムタイトルも『Constructs of the State』に決定!
なんだかかっこいい!

ゲストに Penny Rimbaud氏(Crass)や Bouncing Souls、Jesse Michaels氏(Operation Ivy)など、アンダーグラウンド界の大物たちが迎えられており、これまでになく豪華な内容になりそうな予感・・・。

おそらく名門パンクレーベルの Fat Wreck Chords からリリースされると予想されるが、同レーベルから8月7日にリリースされるコンピ『Fat Music Vol. 8: Going Nowhere Fat』に Leftöver Crack の新曲が収録されているので、これを買えばいち早く新曲を聴くことができる。(ちなみに Morning Glory の曲も収録されている。)


というわけで、前から噂されていた Leftöver Crack のニューアルバムに関する情報がようやく明確になってきたなという感じです!あー、待ち遠しい!

2015年7月12日日曜日

#93 The Bürdel Zombye, Asian Terrör, The Füneral Coffee

Crack Rock Steady と言っても、今はその音楽性すら多様化してきたように感じられ、独特のスタイルでCRSをプレイするバンドがいるのも事実だ。

今回紹介するバンドは、そんなCRSの根底にある邪悪な要素をとことん煮詰めたバンドと言える。それはまるで、イスラムの教えを極端に解釈し過激に行動するイスラム国のように・・・。おそらく、CRS史上最も受け入れ難いバンドになるかもしれないことだけは初めに言っておく。


メキシコに、Zckという男がいる。彼は、先日 V/Aもの その⑬ で紹介した Satanic Geek Mafia Records の創立者であり、これから紹介する3バンドのフロントマンでもある。彼もまたCRSの愛好家のようだが、彼の活動を見ると、もはやCRSに憑りつかれてしまっているようにしか見えない。そんな彼のバンドを余すところなく紹介していきたいと思う。


◇ The Bürdel Zombye



『The Bürdel Zombye』はZckが最初に結成した5人組CRSバンド。バンド名を訳すと『売春宿ゾンビ』。現在は活動してないと思われる。

音楽性はホラー要素を強めたCRSとでも言おうか。暗黒なサウンドに弱々しいスカを取り入れ、イーブルなラップで歌い上げるというのが彼らの基本スタイル。楽曲数はあまりなく、1stEP『El ser y la Nada』に彼らの全楽曲が網羅されている。所々にホラー映画と思われる音声の一部を挿入しておりホラーな雰囲気を出しているが、『El cadáver del Otaku』という曲がひどい。和訳すると『オタクの死骸』。いきなり日本のアニメらしき音声が流れ来て、その後めちゃくちゃに歌い上げているのだから・・・。オタク文化に対するアンチソングなのだろうか。なかなかクレイジーなバンドです。


メンバー:
Zck Zombye - ボーカル
Ecka - ギター
Mc Kloby - ギター
Koko - ベース
Virus - ドラム

活動期間:
2011年~

作品:
2012 - Blood and Salvation
2012 - El ser y la Nada




◇ Asian Terrör



『Asian Terrör』はZckが結成した2つ目のCRSバンド。メンバーは The Bürdel Zombye と若干違うのだが、サウンド面での違いは正直わからないので、各々で聴き比べてもらいたいと思う。作品は色々出しており、スプリット作品も2つ出しているが、もう1つのバンドのほうが良いと思ってしまうのはあまり声を出して言えないな(笑)。


メンバー:
Zck - ボーカル
Eka - ギター
Evaristo - ベース
Cirko - ドラム

活動期間:
2012年~

作品:
2013 - Asian Anal​!​!
2013 - Human Trash
2013 - Tequila and Vodka(GG nonsenseとのスプリット)
2014 - Anthropofagy
2015 - The Lords of the Dark Arts(El Horrorとのスプリット)




◇ The Füneral Coffee


『The Füneral Coffee』はZckが結成した3つ目のCRSバンド。このバンドに関してはZckのソロプロジェクトだ。ソロでもやっぱりサウンドは変わらない・・・と思ったが、Demo でニンテンドーコアを取り入れてるあたりは良かった。Choking Victim の名”悪曲”『Fuck America』のカバー曲も作っているが、これは正直ひどい(笑)。ここまで通して、このひどさが彼の持ち味のようにも感じられるんですよね。ある意味貫いてます。そして、彼のCRSに対する情熱だけは大いに評価されたし。


メンバー:
Zck Coffee

活動期間:
2012年~

作品:
2014 - Demo - Café de el Satan
2015 - The Caffeine Addiction (Autistic Chainsaw、High Tenshion、The Insomniac Collectiveとのスプリット・アルバム)
2015 - Loneliness is my crown
2015 - A Folk​-​Punk Tribute to Choking Victim



2015年6月27日土曜日

#92 Les Skalpés

最近巷で話題のCRSバンド、Les Skalpés を取り上げてみました。
このバンド、サウンドがかっこよすぎます!




Les Skalpés はカナダ/モントリオール出身のCRSバンド。
バンド名はフランス語表記で、歌も基本的にフランス語で歌っているが、曲によっては英語オンリーで歌っていたりもする。
自分は知らなかったんですが、カナダってフランス語圏があるんですね。


サウンドはというと、これが腹が立つくらいかっこいい。

メタル色が強めで、ツインギターがキマっててシャウトしまくりでシンガロングありでCRSなサウンド。何を言ってるか分からないかもしれないが、とにかく歌い方がかっこいい!声のしゃがれ方がいい感じ。ガツンと来る!

全体的にレベルが高く、これは Atrocity SolutionBraindead に匹敵するレベルだろう。彼らの1stEP『Bleeding me Dry』がそれを物語っている。(CD販売されていたのでポチりました。)


自分はこのバンドをつい最近知った(コンピ『Dance To The Grave』で知った)が、間違いなく売れそうなバンドなのになぜ今まで気付かなかったのか不思議。こんなバンドがいるのだから、世界にはまだまだ凄いCRSバンドが埋もれていそう。


というわけで、Les Skalpés はここ最近で最も良いと感じたバンドなので推していきたい!


国:
カナダ

メンバー:
Vinny - ギター、ボーカル
Matt - ギター、バックボーカル
Vince - ベース、バックボーカル
Munoz - ドラム

活動期間:
2010年~

作品:
2013 - Demo
2014 - Bleeding me Dry

リンク:
ホームページ
bandcamp




#91 Big Brother

さて、久しぶりにバンド紹介します。
最近、このバンドがかっこいい新曲を出してたのでピックアップしてみました。これまで紹介してきたコンピでも度々登場しているので彼らの曲を一度は耳にしたことがあるでしょう。

Big Brother!!





Big Brother はカナダ/トロントを拠点に活動するCRSバンド。

2013年に解散した Ghetto Blaster の後継的バンドと言っても良い。というか、 Ghetto Blaster からちょうど Crowley が抜けただけのラインナップです。それでも Chris(ex. Charlotte SwallowsThe Crack Squad)と Ian(ex. Corporation)がいるのでそれだけでも強力なラインナップ!

ちなみに Crowley は現在 Panama Red というReggae/Punk/Hip Hopバンドで活躍しています。(CRSバンドじゃない・・・。)


で、サウンドはというと・・・。

先ほども言ったように Big Brother は Ghetto Blaster の後継的バンドであり、Ghetto Blaster がかなり良かっただけに Big Brother も期待できると思ったのだが、そうでもないかもしれない。

ややクセがありすぎるというか、濃いというか、凄くエキゾチックなサウンドです。まぁ Chris も Ian ももともとテラーなCRSバンド出身だからそうなってもおかしくないんだけど、Ghetto Blaster における Crowley の存在がかなり大きかったんだなって思います・・・。


まぁ、新たに誕生したテラーなCRSバンドとして楽しんでみると良いかもしれません。最初のほうにも言ったけど、最近彼らがリリースした新曲 They're Watching に関しては超絶かっこいい!

作品のほうはバンド結成時から積極的に作られてて、結構EPとか出してます。Positive Junk とのスプリット作品もあり!


国:
カナダ

メンバー:
Chris Spadafora - ギター、ボーカル
Ian Wilkinson - ベース、ボーカル
Jason Nagy - ギター、ボーカル
Mike Ladabrockhouse - ドラム
Henry Beckwith - キーボード

作品:
2013 - Kids of the Sun EP
2014 - Cast Overboard EP
2014 - Ministry of Truth LP
2014 - Corexit Single Ft Positive Junk
2015 - They're Watching EP
2015 - Core Principals 7' Split

活動期間:
2013年~

リンク:
bandcamp


2015年6月21日日曜日

V/Aもの その⑬

またまた素敵なコンピがリリースされたので紹介します。


今回紹介するコンピは前回紹介したコンピ『Dance To The Grave』(Dead End Records)のリリースからわずか2週間後にリリースされたコンピであり、CRSが世界中で猛威を奮っていると感じざるを得ないというようなコンピです。


メキシコのDIYレーベル Satanic Geek Mafia Records からは、30曲のライットなPunk/Ska/CRSサウンドを詰め込んだコンピ『Riot Sound System vol.2』!もう、タイトルからして素敵!




自分も知らなかったんですが、このコンピは2013年に Vol.1 がリリースされていて、今回のコンピはそのシリーズの第二弾となります。(そちらももれなく素晴らしい。)


内容はというと、この類のコンピとしては過去最高級にスカ率が高く、しかも狂った曲が多くてマジで最高です・・・。

特色は何といっても、日本が誇るPunk Skaバンド、U Can't Say No! が参加していること!さすがはジャパニーズライオットスカの走り、熱いサウンドを聴かせてくれます。
CRS系のコンピで日本のバンドが参加してるのは初じゃないでしょうか。個人的な願望ですが、これを機に日本のバンド(CRSバンド)がこういったコンピに参加して世界に名を馳せていって欲しいものです。


他に参加してるバンドは Positive Junk、Big Brother、Days N Daze、Two Years Dead(The Stupid Stupid Henchmenのサイドプロジェクトバンド)、Dead Rejects、Night Gaunts、Posero、Niño Zombi など、まぁいい顔ぶれが揃ってますね。(Poseroってまだ活動してるのかなぁ・・・。)


面白いと思ったのが、Justice Denied というバンドが Choking Victim のカバー曲をやってたり、Days N Daze が Night Gaunts のカバー曲をやってたり、The Insomniac Collective というバンドが The Stupid Stupid Hechmen のカバー曲をやってたりと、CRSファンにしか分からないような楽しさがあることでしょうか。


というわけで、『Riot Sound System vol.2』はかなりCRSなサウンドが充実したコンピであり、これはマストダウンロードなコンピだと思います。もはや言うまでも無いかもしれないが、フリーダウンロード可能!

2015年6月7日日曜日

V/Aもの その⑫

またまた素敵なコンピがドロップされた模様です。

Dead Rejects のボーカルShaneが立ち上げた新レーベル Dead End Records より、世界中のSka、Punk、CRSな曲を詰め込んだコンピ『Dance To The Grave』!!


Dead End Records はCRS系のレーベルとして新しく設立されたわけだが、それを記念して世界中のCRSバンドから音源の提供を受けてリリースされたのが今回のコンピだ。

参加してるメンツがヤバすぎです。

Night GauntsThe Stupid Stupid HenchmenAtrocity SolutionThee InfidelsDead Rejects、Positive Junk、Foolish、Mad Conductorなどなど、人気のCRSバンド多数参加!これは過去最強クラスと言って過言ではないでしょう。

驚いたのは、The Infested が参加してること。
(これはホントに凄い。)
The Infested がこういったコンピに参加してる記憶が無いので、今回のコンピはホントに豪華。しかも提供してる音源は未発表曲っぽく、「Nanana~」と歌ってるところが結構ツボです・・・。

Night GauntsThe Stupid Stupid Henchmen が提供してる音源も未発表曲っぽい。 The Stupid Stupid Henchmen の音源はもうこういったコンピでしか聴けなくなった気が(笑)。

その他気になるバンドも多い。今回特に気になったのは Les Skalpés っていうバンド(8曲目)。かっこいいサウンドを鳴らしてるのでチェック入れました。いずれ本ブログで紹介できたらいいなと。

例によってフリーダウンロード可!素晴らしいぞ Dead End Records!!



2015年5月31日日曜日

CRSマニアがガチで選んだCRS作品ランキングTop 30(10~1位)

さてさて、3回に渡り書いている企画『CRSマニアがガチで選んだCRS作品ランキングTop 30』もいよいよ10位から1位の発表となりました(30位から21位まではこちら20位から11位まではこちら)。ここからはホント『神作品』と言えるような作品ばかりになってると思います。作品のレビューにも熱が入ってきます!では、早速いってみたいと思います!



【10位】
Thee Infidels : Evilution(2013年)


これはもう文句なしの1枚でしょう。10位は、メロディックさ全開、激しさ全開のCRSチューン満載なThee Infidelsのデビューアルバム!1曲目のイントロから徐々に盛り上がって2曲目『Ego』で爆発させる感じがたまりません!3曲目の『Not My Life』なんてちょっと爽やかでホント大好きです。全体的にアングリーなんだけどメロディックさもあって、聴きやすいです。極めつけは8曲目の『Global Unity』でしょう。超人気CRSバンドのNight GauntsとThe Stupid Stupid Henchmenがボーカルで登場してくるんだから、これはもう完全にノックアウトです!素晴らしい1枚!

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【9位】
Positive Junk : Misanthropy(2014年)


2014年、CRSファン衝撃のデモ盤を発表。その後、満を持してリリースされたこのPositive Junkのデビューアルバムが9位!これが初期衝動というものなのだろう。ガツガツとしてて暴動感が凄く、迫力があり、まさに『Riot Ska』。ボーカルの力強い絶叫がたまらなく、Skaがここまで凶暴になるのだからやっぱりCRSっていう音楽は凄い。しかし全体的にメロディックに音作りされていてキャッチーさもあり、何気にDubの要素を取り入れたりしてる点は高く評価できる。CRSファンの心を鷲づかみにする罪な作品だ。ゲストとしてGang ControlとOfficer Downも参加!

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【8位】
Dead Rejects : This Is Killing Me(2014年)


上で紹介してきたThee InfidelsにしろPositive Junkにしろ、ここ最近出てきたCRSバンドは本当にレベルが高い。このバンドもまたそう感じられ、特にCRS作品作りへの情熱が強く感じられる素晴らしいバンドだ。8位は、3枚のEP制作を経てリリースされたDead Rejectsのデビューアルバム!CRS界のNo Use For A Name的作品とでも言おうか。Positive Junkの作品とは相対的でガツガツとしたサウンドではなく、哀愁さのある泣きメロ調のCRSサウンドなのが特徴と言える。5曲目の『Dying Days』や8曲目の『Nowhere Bound』など、つい聴き惚れてしまう哀愁スカチューンが多い。本作品はAtrocity Solutionも参加してて聴き応え十分!

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【7位】
Ghetto Blaster : Think For Yourself(2012年)


このバンドは今は解散してしまったが、センスが高かっただけに解散してしまったのが本当に残念でならない。彼らが残していった作品はいずれも秀逸だが、アルバムとして唯一制作されたこの作品をここにピックアップした。というわけで、7位はGhetto Blasterのデビューアルバム!この作品の完成度は高い。特徴的なのはボーカルCrowlyのキレのあるラップだが、バックで鳴る性急なスカのビートと吼えまくる他のボーカルたちがこの作品を最高に盛り上げている。3曲目の『Day of Defeat』なんてもう反則だ。ボーカルにC-Raveが乱入してきて強烈度は倍増してるんだから。それでいてゆったりしたチューンがある所も見せ所。7曲目の『We Don't Need You』以降の流れが神だと思うのは私だけでしょうか・・・。

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【6位】
Braindead : Weapons Of The Weak(2010年)


サウンドの作り込み方はもはや職人芸。Autonomadsみたいにアナーコ性に重きを置いたバンドは別として、CRSビート系のDubをやらせたら間違いなくこのバンドの右に出るものはいない。7位は、Braindeadのデビューアルバム!Braindeadは結成が2001年と割と古参のバンドなのだが、結成から10年近くのブランクを経てようやくリリースされたアルバムがこのアルバムであり、とてつもない重みがある。ボーカルの歌い方が男臭くて実にかっこよく、ヘヴィなリフを織り交ぜて繰り広げられるスカチューンは絶品物。それと、やっぱり妖しげなDubのサウンドには惹き込まれてしまう。全体的にどっしりしてて安定感のある素晴らしい作品だ。2ndアルバムの『Libertalia』も同じくらい素晴らしい作品!

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【5位】
Night Gaunts : Full Body Tourettes [pt 2](2011年)


個人的に、このバンドのサウンドを初めて聴いたときの衝撃は強かったわけだが、きっと他の人もそうだったはずだ。それぐらいの衝撃度がこの作品にある。5位は、パンチ力抜群なファンキーなサウンドを放つNight Gauntsのデビューアルバム!作品名の最後に「pt 2」と付いているが、「pt 1」は前作の2曲入りデモを表す(その2曲はこのアルバムに入っている)。Night GauntsのHPを見ると、Night Gauntsの音楽性は「sing-a-long ska-punky-hip-hop」と書かれており、まぁその通りパンキーでヒップホップの要素があるわけで、単にCRS作品と表現するのは失礼かもしれない。とにかく、ハイトーンボイス炸裂のファンキーなスカチューンが多くて楽しい1枚だ。2曲目の『Vicious Viles』の時点でノックアウトされますけどね(笑)。全てのCRSファン、いや、全てのSka Punkファンに捧げたい珠玉の1枚!

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【4位】
Atrocity Solution : Lost Remedies(2013年)


CRS史上、最も洗練された1枚と言えよう。作り込み度で言えば圧倒的に他の作品群を抜いており、完成度はかなり高い。4位は、Crustなサウンドが光るAtrocity Solutionの2ndアルバム!ピアノやバイオリン、ビオラの音を取り入れてクラシックな要素を混ぜ込んでおり、まさしく「芸術作品」と言える。2013年にリリースされた全パンク作品の中でも最も優秀な作品と評価する人が多いのも頷ける。ポップな要素はあまり無く、重厚感のある重いサウンドに仕上がったスカチューンが多く、そこに惹かれてしまうのがAtrocityサウンド。7曲目『Watch The World Burn』は、有名なスプリットアルバム『Track the Virus』に収録されているアコースティックのナンバーをエレクトリックバージョンで演奏したナンバーで、ここでもC-Raveが乱入して魅せてくれる。全体的にバランスが良く、見事な作品だ。

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【3位】
Leftöver Crack : Mediocre Generica(2001年)


ついに3位以下の発表となるが、ここに来て大御所Leftöver Crackが登場!実はLeftöver Crackの作品を選ぶ際にかなり迷った。LoCと言えば2ndアルバムの『Fuck World Trade』(飛行機が突っ込むジャケのやつ)が有名だが、ややCRSの要素が薄いと感じたのでこれは選ばなかった(もちろん内容的には素晴らしい作品なのだが)。LoCの別名The Crack Rock Steady 7としてリリースされたスプリットアルバム『Baby Jesus, Sliced Up In The Manger』は逆にCRSの要素が強くて素晴らしいのだが、ややイレギュラーでしかも入手困難な作品なのでこちらも選ばなかった。というわけで、LoCの作品の中で最も簡単にCRSな雰囲気を味わうことができるこのデビューアルバムをLoCの作品として選んだ。
前説が長くなってしまったが、本作品はCRSのパイオニアとしてのStzaの凄みが強く感じ取れる作品だ。「お前らよく聴け。これが本物のCRSだ!」と聞こえてきそうな怒りのCRSチューンで構成されており、絶対的なサウンドに仕上がっている。特に、Stzaの怒りの絶叫が炸裂するナンバー『Stop the Insanity』からの、カノン風の優しいインストを挟んで突如やってくる珠玉のスカチューン『Crack City Rockers』までの流れは神。とりあえずは3位という評価だが、いずれリリースされるであろう3rdアルバムへの期待も込めて3位に。

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【2位】
The Infested : Myths Lies And Hypocrites(2008年)


こちらもまた悩んだ。LoC以外の作品をLoCより上位にランクインさせていいものかと。でも、総合的に考えてこの作品はLoCの作品より上手を行ってるんじゃないかと・・・。邪悪度、パンチ度、作り込み度、ノリの良さ、あらゆる点でパーフェクトと言えるThe Infestedのデビューアルバムが2位!まぁ、聴けば誰もが納得できる1枚でしょう。ボーカルの強烈なバグボイスとクリーンなスカのカッティング、しかし突如切り替わるギターの歪みが絶妙にマッチしてて最高!とにかく良いんですよ。作品全体の疾走感とドタバタ感が良く、最高にノれる作品!

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【1位】
Choking Victim : No Gods / No Managers(1999年)


さて、ここまで発表してきた作品はいずれも素晴らしい作品ばかりだと自負しているが、おそらく『Crack Rock Steady』の世界にのめり込まなければ絶対に出会っていなかったであろう作品ばかりだと思う。そういう点で、自分はCRSという音楽に出会えたことが人生で最高の喜びである。そんなCRSの素晴らしさを教えてくれたこの作品を、やはり1位として崇めたい。
というわけで、ベタかもしれないが1位はChoking Victimのデビューアルバム!邪悪で攻撃的でポリティカルでパンチ力があって、一応Skaだからノれる要素もあって・・・CRSという音楽性がこの作品で完成されている。CRSの基準がこの作品にあるわけで、この作品を基準に他のCRSバンドが独自のサウンドを切り開いていったわけだから、これぞキング・オブ・CRS作品!Ska史上、最も罪な作品ともいえるのはないか。こんな音楽を作ってしまったChoking Victimはやっぱり偉大!




というわけで、私CRSマニアがガチで選んだCRS作品ランキングTop 30はこのようになりました。これからCRSシーンに入門される方などがいらしたらぜひ参考にして見て下さい。あくまで私の作ったランキングであり、人が違えばまたランキングも変わってくるでしょう。なので他の人のランキングも見てみたいものです。また、今回発表した作品以外にも良いCRS作品はたくさんあるので、ぜひ他の作品も聴き込んでみて貰いたいです。

ちなみに今回の企画は、CRSがもっと広まればいいなという思いで書いていました。どうかCRSが広まりますように!!では。

2015年5月24日日曜日

CRSマニアがガチで選んだCRS作品ランキングTop 30(20~11位)

さて、まだ5月だというのに暑い日が続いてますが、CRSを聴いてさらに熱くなってもらいましょう!

というわけで、前回から書いている企画『CRSマニアがガチで選んだCRS作品ランキングTop 30』の20位から11位までを紹介したいと思います(30位から21位まではこちら)。ここからは本当に良作ぞろいだと思います!


ではいってみよ~。



【20位】
The Dumpers : Business Ass Usual(2003年)


さてさて、20位はこちら。「Stzaが歌ってるんじゃないの!?」と誰もが勘違いしてしまいそうなほどChoking VictimのサウンドにそっくりなThe Dumpersのデビューアルバム!一応言っておくが歌ってるのはStzaではなくオーストラリアの人たちだ。Stzaばりの力強いスクリームもさることながら、8曲目のように「Let's Go Kill All The Cops!」とストレートに歌ってるあたりがもう完全にChoking Victimっぽくて、ある意味楽しめる作品になっている。ノリの良さも申し分なく、20位にランクイン!



【19位】
Cap A Capo : .​.​.​Have You Got What You Paid For?(2009年)


この酔いどれ感はクセになる!19位はCap A Capoのデビューアルバム!こちらもまたオーストラリアのバンドによる作品であり、Cap A Capo自体がどこまで知名度があるかはわからないが、これはなかなか隠れた良作だと思いますよ。間違いなくCRSなサウンドなのだが、そこまで重さは無く、逆に爽やかさすら感じられて聴き心地がよい。まるで酒をひっかけたかのように陽気に歌う様はまるでThe Poguesみたいで、楽しそうに演奏してる感じが伝わってくる。2曲目の『Existence』や16曲目の『Tear It Down』とか最高!

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【18位】
Beng Beng Cocktail : From the Swallow to the Bottle(2009年)


18位は、3人組アコースティックトリオBeng Beng Cocktailのデビューアルバム!アコースティックでダークにスカを演奏するという斬新なスタイルの作品で、テクニカルな演奏には思わず聴き入ってしまうことでしょう。私ごとだが、この作品を初めて聴いたときの衝撃感はハンパなかったわけで、ごちゃごちゃした評価を抜きにすれば5本の指に入るほど大好きな作品だ(総合的に評価して18位だ)。Public SerpentsやUnion Jackなど多数のCRSバンドがゲストボーカルで参加してる点も見逃せない。『I Say Love』や『After All』、『My Shoe Laces』など珠玉のナンバーが詰まっていて、惚れ惚れしてしまう作品だ。

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【17位】
Evil Empire : Does This Genocide Make Me Look Sexy(2006年)


ボーカルのぶっ壊れ加減が痛快!17位はEvil Empireのデビューアルバム!怒り狂ったスカとはまさにこのことだろう。ホーン交じりのスピーディなスカのビートに乗せてボーカルが吠える!わめく!叫ぶ!パンチ力抜群で邪悪度も強く、まさにEvil Empire(邪悪の帝国)!ホーンのねっとりした音色が余計に人を狂わせるのだろうか。このねっとりした音色に酔いしれたが最後、Evil Empireからは抜け出せません。要注意!!




【16位】
No Service Project : So Awsome It Hurts(2003年)


16位は、No Service Projectの秀逸なデビュー作だ。テンポが速くて激しさがありながらも、どこか爽やかで甘酸っぱいサウンドは青春パンクならぬ、青春CRSと言ったところ。1曲1曲が短いのであっという間に聴き終わってしまうが、聴き終わったあとの満足感はこの上無し。本作品にはNo-CashのボーカルだったChrisも参加していて、なかなかレアな作品と言える。No Service Projectは他に2つ作品をリリースしているが、CRS系のサウンドが聴けるのはこの作品だけだ。



【15位】
Anti-Venöm : As Soon As There Is Justice(2010年)


15位は、Anti-Venömのデビューアルバムだ。なんと言うか、この作品は色んな要素が詰まりすぎて簡単に言い表すことができない。『FCUKU』みたいに打ち込みを使ってポップに仕上げたスカチューンもあれば、『Looking For The Answer』みたいに怪しげなダブチューンもあり、『Name your Addiction』みたいな涙混じりのスカチューンもあるわけで、ただただ色鮮やかな作品に仕上がっている。この作品がRazoというたった一人の男によって作られたのだから驚きだろう。そう考えれば凄いセンスの高い作品だと思えるはずだ。個人的にはもっと評価されるべき素晴らしい作品だと思う。


【14位】
Morning Glory : The Whole World Is Watching(2004年)


CRSの重要作品としてやはりこの作品は欠かせない。14位はMorning Gloryのミニアルバム!イントロで群集の叫びとパトカーのサイレン音が響き渡る1曲目『The Whole World Is Watching』がこの作品の物々しさを物語っている。現在のMorning Gloryはかなりポップな作品を作っているが、この作品はその正反対で暗く混沌としており、この世の終わりでも歌っているかのよう。5曲目の『Gimme Heroin』は名曲だ。この作品はCDとして売られているものの人気が高いため入手困難で、オークション等では高額で取引されている。

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【13位】
Niño Zombi : Zombie Army(2007年)


そのサウンドはまるでゾンビたちの宴!ホーン混じりのホラーなスカチューンが楽しく、Stzaも参加しているNiño Zombiの2ndミニアルバムが13位!Niño ZombiはメキシコのCrack Rock Steady部隊だけあってStzaとの交流も深く、よくStzaが作品に乱入しているのだ。Stzaが認めるだけあってレベルは高い!人気ある作品なのでCDを入手しづらいのが難点。bandcamp化もされていないが、SkaCoreMafiaというサイトからフリーダウンロードできます(Niño Zombi公認。)

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【12位】
The Stupid Stupid Henchmen : Carbombs Are Cool(2005年)


ボーカルChetの破滅ボイスが炸裂!12位は強烈なスカチューン満載のThe Stupid Stupid Henchmenの4thアルバム!収録数32曲と、たっぷり詰め込んだ感がある。はっきり言って、粗末でめちゃくちゃな作品だ。でも、これを粗末と言って片付けてしまったらCRSなんて聴かないほうがいいでしょう。このごちゃごちゃしてて混沌とした感じがCRSの醍醐味でしょ?私はこの作品が好きでたまりません。ジャケットを見ただけでゾクゾクします!

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【11位】
No-Cash : Run Your Pockets(2003年)


さて、11位はこの作品となった。2003年リリース、No-Cashのデビューアルバムにして、当時のCRSファンを湧かせた強烈な一枚だ。ボーカルChrisの強力なスクリームにはえげつなさすら感じられ、ギターのサウンドには切れ味があり、まさに殺人サウンド。しかしバラードちっくなナンバーもあって、ヘヴィなサウンドとソフトなサウンドを巧みに使い分けてくる点に秀逸さが感じられる。今は無きNo-Cashが残していった素晴らしきアルバムであり、CRSシーンで永遠に語り継がれるであろう伝説的アルバムと言える。しかしこの作品以降に素晴らしいCRS作品が出過ぎてしまったわけで、この順位は時代が変わったことも表していると言えよう。

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というわけで、私CRSマニアがガチで選んだCRS作品ランキングTop 30の20位から11位まではこのようになりました。ここまで来ると有名な作品も結構出てきましたね。次回はいよいよ10位から1位まで発表したいと思います!お楽しみに~。

2015年5月10日日曜日

CRSマニアがガチで選んだCRS作品ランキングTop 30(30~21位)

これまで数多くのCRS作品を聴いてきた私CRSマニアが、「これはかっこいい!もっと多くの人に聴いてもらいたい!」と思った作品をガチで選んでランキング化してみました。

本当はTop 20の作品だけ選んで発表しようかなと思ったのですが、選びきれなかったので結局Top 30になってしまいました。それぐらい人に勧めたいかっこいい作品が多いです。1バンドから1つの作品だけ選んでいます。これからCRS作品を聴く人への参考にでもなればいいな~と思ってます。

評価の基準として、①邪悪度、②パンチ度、③作り込み度、④ノリの良さの点から評価しました。とりあえず今回は30位から21位まで発表します!


ではいってみよ~。



【30位】
Luvdump : Age Of Authority(2013年)


まず30位がこれ、Luvdumpのデビューアルバム!疾走系のメロディック・ハードコアにスカやダブの要素を織り交ぜながらも、全体的にキリリと引き締まった硬派なサウンドに仕上がってるのがこの作品の良さだ。社会に対するメッセージ性が非常に強く、「行動を起こせ!」と言わんばかりに力強く訴えかけてくるので思わず心が揺さぶられてしまう。かっこいい作品だ。

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【29位】
Autonomads : No Mans Land(2012年)


29位にはこれを選んだ。数あるCRS作品の中でも異色の作品と言えよう。アナーコ・ダブ・パンクバンドとしても有名なAutonomadsのデビューアルバムだ。暗い雰囲気があって激しさはあまり無いが、メロディカを使った妖艶なダブのサウンドが魅惑的で、独特の世界観が味わえる。2014年にリリースされた2ndアルバム『One Day This Will All Be Gone​.​.​. EVERYTHING NOW!』もオススメ!

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【28位】
Power Corrupts : War Against Reason(2007年)


パンチ力のある疾走スカチューンでドタバタと突き進む感じがたまらない!前身バンドであるWar Against Reasonの名をそのままアルバム名に持ってきたPower Corruptsのデビューアルバムが28位だ。収録曲数は17曲とボリュームがあり、最後までスピードを落とさずハードコアに畳み掛けてくる。そこに絶妙なタイミングでスカを織り交ぜてくるから、興奮しちゃいますよ。

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【27位】
Corporation : Return Of The Corporation


27位は、強烈なスカチューン全開のCorporationの3rdアルバム!切れ味のあるスカのカッティングとは相対的にベキベキとうねりまくるベース音が気になってしょうがないが、それを打ち消すかのようにボーカル・イアンの腹奥底から発せられる絶叫が実に強烈で爽快。でもダブのナンバーやホーンを使ったナンバーもあったりして、ちょいと小細工も見せてくれます。2014年にリリースされたCorporation最後のアルバムである『Shadows Of The Corporation』もオススメ!

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【26位】
The Poseurs : The Poseurs(2011年)


26位はこれ、ロシア語でダークに歌うCRSが魅力的なThe Poseursのデビューアルバム!いちいちリフがかっこよくてメロディックでキャッチーで、ラップを入れてるし、仕上がり度は上々。他のCRSバンドからMy Own ReligionやBeng Beng Cocktailをゲストボーカルで迎えていてかっこ良さはさらにアップ!まぁ、普通に良いと感じられる作品!

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【25位】
Union Jack : Tales Of Urban Freedom(2009年)


25位はザ・Bad Ska!なUnion Jackのデビューアルバム!デビューアルバムと言っても、それまで多くのデモやEPを制作してきて自分らのスタイルを磨き上げた上で発表したアルバムなので、かなり貫禄のある1stアルバムになっている。4曲目の『The 13 ways』や5曲目の『Stinky cities』などのように緻密に作り込まれた芸術性の高いスカチューンが聴け、最高に楽しい。ボーナストラックにはThe Clashのカバー曲あり!

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【24位】
Antimaniax : I'm Without Sleep In A Desert Of Concrete(2003年)


キャッチーに、そしてアングリーにかっ飛ばすスカチューン満載!24位はAntimaniaxが2003年にリリースしたこの2ndミニアルバムだが、この頃はまだCRSバンドがそれほどいなかったので、当時のCRSファンにこよなく愛された作品なのだ。アルバム名にもなっている3曲目の『I'm Without Sleep In This Desert Of Concrete』は名曲!2015年になってもまだまだ色あせてない!

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【23位】
Eskera : Ruido Debajo Del Puente(2011年)


「全てを破壊し尽せ!」と言わんばかりの超攻撃型キラースカチューンが圧巻!このブログではまだ紹介してなかったが、メキシコのCRSバンドEskeraによるこのデビューアルバムが23位だ。ただ漠然と攻撃的に演奏するだけでなく、ピロピロなメロディでしっかり音付けするあたりがにくい。ただ音質が悪いのが惜しい点だ。爆音で聴くことをお勧めします!

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【22位】
Leper : End Progress(2009年)


邪悪さで言えばCRSバンド随一だろう。邪悪と言うか、もうどす暗いです。22位はLeperの2ndアルバムだ。これまでCRSシーンの一部ではSkaとCrustやMetalをいかに融合させるか模索されてきたわけであるが、その極限の形がこの作品にあると思う。他方ではBlackend Ska Crustなどと呼ばれてるサウンドであり、あまりにもダークすぎてスカファンには少し敬遠しがちのサウンドかもしれないが、私は見事な作品だと思っている。CRSファンには存分にLeperの世界観を味わってもらいたい。

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【21位】
Public Serpents : The Feeding Of The Fortune 5000(2008年)


21位は、CRS界のレジェンドSkwertが率いるバンドPublic Serpentsのデビューアルバム!それまでChoking Victim、INDK、American Distressといったバンドでドラマーとして渡り歩いてきたSkwertがマイクを手に取り放った作品である。ハードコアとスカ/レゲェが織り成すサウンドが妙で、Skwertの中に眠っていた才能がみごと爆発した作品と言える。重要作品!

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というわけで、私CRSマニアがガチで選んだCRS作品Top 30の30位から21位まではこのようになりました。反響もお待ちしております。次回、20位から11位までを紹介します!お楽しみに~。