2016年6月25日土曜日

新作情報 [Brainwash Victim - Attack from the safety zone E​.​P.]

さて、わが国が誇る唯一の Crack Rock Steady バンド、Brainwash Victim が New EP Attack from the safety zone E.P. をリリースした。

本作品はメキシコのCRSレーベル Satanic Geek Mafia records でも音源がアップされ、ロシアのCRSコミュニティサイトでも取り上げられるなどして、世界各国で話題を集めている。
そんな、世界に飛躍しつつある彼らの新譜をとくと紹介したい。


まず、自分はジャケットに目がいった。
Leftöver Crackの1stアルバム Mediocre Generica のジャケットを彷彿とさせるフォト、そして字体。いや、これはもう完全に寄せにいってると確信したい。

しかし、これ以上に驚かされたのが前作 ACTION AND REACTION E​.​P. より格段にレベルアップしたサウンドだ。

のっけから悪魔のギターサウンドが響き渡り、直後に疾走パンクビートにチャンジし、そしてスカへと変貌し、またパンクのビートに戻る。そんなえげつない展開を見せるナンバー Attack from the safety zone で本作品は幕を明け、じわりじわりと Crack Rock Steady の世界へといざなってくれる。

やはりAYUMiX氏の殺人ギターは凄かった。
ギターのリフは洗練され、パワフルさを増し、そしてボーカルけーす氏のシャウトもキレが増している。
スカのサウンドをバックにけーす氏がラップで攻めるナンバー Gloomy Gus はもう最高だ。

でも、最後の2曲はちょっぴり爽やかなスカのナンバーだったりするので、こういうところが憎いですね。
bandcamp で全曲の歌詞を確認することができるのだが、何気にほとんど日本語で歌っていることに驚きました。全然日本語で歌ってるように聴こえません(笑)

すべてにおいてキレ味が鋭くなり、そしてコクが生まれている。素晴らしい Crack Rock Steady 作品が生まれたのではないでしょうか。本作品は間違いなく世界基準の Crack Rock Steady サウンドに仕上がっています。

本作品は bandcamp からダウンロードできる他、店頭でのCD販売もされているようです。


2016年5月29日日曜日

新作情報 [Thee Infidels - All We Got]


ドイツのCRSバンド Thee Infidels が4月にセカンドアルバム All We Got をリリースしてたので紹介しておきます。


いやー、今回もパワフルに仕上がってます。
Thee Infidelsらしいメロディックで疾走感たっぷりのサウンドでのっけからぶっ飛ばしてます!


とりあえず3曲目までは軽くCrack Rock Steadyチューンで流していて、4曲目にシャウトしまくりのハードコアなナンバーをぶち込んでおり、ここでガツンとやられます。その次の曲Fun Sucksが爽やかスカチューンなもんだから、情緒不安定になること間違いなし。


今作は前作の Evilution に比べてダーク感は控えめな感じはあるど(ジャケットのアートからしてそうだが)、間違いなく”イケ”てるアルバムに仕上がってます。
もちろん聴かない選択肢はありません。

Check it out!




2016年5月28日土曜日

#97 One(8)Seven

本日、Twitterをチェックしていたら驚きのニュースが目に飛び込んできた。
「One(8)Sevenのフロントマン、Gringoが亡くなった」と。(ツイートをしたのはRiot Ska Recordsである。)

One(8)Seven(ワン・エイト・セブン)のことはずっと前から知っているし音源も持っている。
ただそこまで熱心に聴いてこなかったのは事実である。

今日、そのニュースを見て改めて彼らのサウンドを聴いてみたくなったので音源を漁ってみた。
そこには男Gringoによる魂の入った熱い叫びがあったことをお伝えしたい。



One(8)Sevenは2010年に結成されたルクセンブルク出身の6人組Crack Rock Steadyバンド。
楽器を持たないボーカルが2人おり、ラップを織り交ぜながら交互に歌う歌うスタイルをとっている。

軽快なスカのカッティングと重いCrustのリフを交互に切り替える展開はまさにCrack Rock Steadyビート。
そこに情緒的なメロディラインも乗せてエモーショナル感を出すあたりは技巧派と言える。
何より、坊主でいかつい風貌のボーカル、Gringoの腹奥底から放たれるえげつない叫びからは熱いものが感じられ、聴けば間違いなく"Crack Rock Steady"であることを感じ取れるバンドである。

Gringoの熱い叫びは唯一のアルバム Defense Starts With Heart で聴くことができる。

こんなにもかっこいいバンドがいながら彼らのことをもっと早く紹介できなかったのが残念でならない。
遅ればせながら、Crack Rock SteadyバンドOne(8)Sevenのことを知ってもらいたいと思う。

R.I.P.


国:
ルクセンブルク

メンバー:
Gringo - ボーカル
Dany Le Loup - ボーカル
Danny Epstein - ギター
Joe Lentz - ギター
Ben Hilges - ベース
Charel Kemp - ドラム

活動期間:
2010年~

作品:
2012 - Defense Starts With Heart





2016年2月20日土曜日

新作情報 [The Stupid Stupid Henchmen - Songs Stuck In Purgatory]


The Stupid Stupid Henchmen が1月初旬にニューアルバム Songs Stuck In Purgatory を bandcamp からリリースしているので紹介しておきたい。


今回のニューアルバムは前作 Charmingly Demonic 以降に制作された音源の他、概にある曲を別バージョンで録り下ろした音源などを集約したコンピ的作品となっている。色んなレーベルのサンプラーやオンライン上に点在していた楽曲がこのアルバム一つにまとめられているので、ファンとしては嬉しいニューアルバムだろう。


The Stupid Stupid Henchmenと言えば忠実にSkaをアウトプットしながら大胆にSatanic(悪魔っぽさ)を表現する巧妙なCRSバンドだが、初期の音源はそれこそ酷くて聴けたもんじゃなかった(それが彼らの持ち味でもあったが)。しかし近年の彼らのサウンドは質が向上しており、もはや職人芸とも言えるサウンドになっている。それもそうだろう。The Stupid Stupid Henchmenは結成から18年経つベテランバンドになったのだから。

アコースティックで巧みにCrust Skaを演奏した Two Months Off  や、レゲェちっくに仕上げた AgoraphobeFeelin' Lush を秀逸なナンバーと言わずしてなんと表現したらいいかわからない。
Choking Victimが演奏するCrack Rock Steadyとはまた異なる彼らのサウンドは必聴だ。(但し本作の18曲目以降はボーナストラック的な感じで聴くべきだろう。)


そういえば bigcartel で彼らのマーチを買えるようになったのでこちらもオススメです。私も買いました!




2016年1月16日土曜日

新作情報 [Night Gaunts - Conversations With Creation]



ニュージーランドのファニー野郎たちが集うCRSバンド Night Gaunts が新譜 Conversations With Creation をリリース!

前作 Love Life & The Devil から3年ぶりのリリースということで、MVまで作る気合の入れよう。今作を待ちわびたファンは多いんではないでしょうか。

今作はNGらしさ漂うファンキーでシンガロングなスカチューンが組み込まれてるのはもちろんのこと、後半にかけてはジャジーでしっとりしたサウンドで酔わせてくれ、めちゃくちゃ楽しませてくれる。

名作の1stアルバム Full Body Tourettes [Pt II] に比べれば随分Angryさが減ったなと感じるが、もはや彼らにはCRSバンドの銘を付けるのがおこがましいくらいユニークなバンドになってるので、もっとメジャーに知られるバンドになって欲しい。

さて、Night Gauntsと言えば今巷で一番来日の可能性が高いCRSと噂されてますが、果たして来日は・・・。

Come to Japan!!!!



2016年1月10日日曜日

アルバム『Constructs Of The State』 解説・レビュー


アルバム『Constructs Of The State』がリリースされて以降、自分はこれ以外のパンク作品が聴けない状態にいる。

Leftöver Crackの11年ぶりとなるフルアルバム『Constructs Of The State』がリリースされてから1ヶ月余り経つが、アメリカの巨大パンク通販サイト Interpunk では売上ランキング1位の状態が続いている。大手パンク情報サイト Punknews.org ではスタッフの Ricky Frankel 氏によって2015年のベストアルバムに選ばれた。このアルバムが波紋を呼んでることは間違いない。

言うまでもなくLeftöver Crackは“Crack Rock Steady”のリーダー的存在であり、その音楽性に影響を受けたバンド(いわゆるフォロワー)が数多く誕生している。昨今、彼らフォロワー勢の作曲センスは高まってきており、先輩であるLeftöver Crackを追い抜いてしまうんじゃないかと思うような素晴らしい作品を作り上げている。しかし、今回そんなフォロワー勢を圧倒的な力でねじ伏せてしまうかのような強烈なアルバムをLeftöver Crackが作り上げてしまった。そんなLeftöver Crackのニューアルバム『Constructs Of The State』について徹底的に解説・レビューしていきたい。


やはり特筆すべきはゲストの多さ。
クレジットを見ると、ゲストの名前がびっしりと書かれている。無名のアーティストから大物まで様々。未だかつてこんなにゲストが登場するパンク作品はあっただろうか。凄い所で言うと、80年代UKアナーコ・パンクの代表格バンドCRASSのドラマーであったPenny Rimbaud氏の名が(彼が御歳72歳だということにも驚きだが)。
Crack Rock Steayはあらゆるジャンルの音楽を飲み込む形態から、あらゆるアーティストを飲み込む形態に進化してしまったようだ。
もちろん、これが出来るのはLeftöver Crackだけだろうが。登場するゲストを楽しみながら聴くのが今回のアルバムの醍醐味だろう。

さて、サウンドはと言うと、前作の『Fuck World Trade』に比べて間違いなくハードさがアップしている。前作はかの同時多発テロを題材にしたこともあってか、まるでテロの犠牲者を偲ぶような暗いサウンドになってる印象を受けたが、今回のサウンドはまさしく音で押し殺すような力強いサウンドになっている。ハードコア~クラスト度を増強させながらそこにスカをブレンドし、フォークやスラッシュメタル、オールドロック、エレクトロニックといった要素をもブレンドさせ、これまで以上に色んな要素が絡み合っているので楽しくて仕方が無い。こんなパンク作品は唯一無二であり、自分がこれ以外のパンク作品を聴けない所以はこれだ。

アルバムを聴いてると、中でも一番楽しませてくれたナンバーは『System Fucked』だ。90年代スカコアムーヴメントの筆頭、Operation Ivyでボーカルを務めたJesse Michaelsとの奇跡の競演ナンバーなんだから、スカコアファンの心が躍らないわけがない。

他のスカのナンバーを見ていくと、『Corrupt Vision』はスカからクラストへの変貌ありのまさしくCrack Rock Steadyなナンバーだ。気付いてない人が多いと思うが、この『Corrupt Vision』と『¡Poliamor Fiesta Crack!』はNo Commercial Valueのナンバーをリメイクしたナンバーになっている。(No Commercial Valueを知らない人はこちら)No Commercial Valueの音源を持ってる人はぜひどの曲かぜひ探し当ててみて欲しい。

これらの曲以外にも、今回のアルバムは色んな所から音源を引っ張ってきている。一際湿っぽいナンバー『Last Legs』はフォーク・パンク・バンドBlackbird Raumのカバー曲であり、本人らも歌う豪華仕様になっている。この曲のしっとりさが次のハードなナンバー『The Lie of Luck』を一層際立ていて最高だ。なお、オリジナルは2015年作のアルバム『Destroying』で聴くことができる。

アルバム最後のナンバー『The War at Home』に至ってはIntro5pectの2007年の作品『Realpolitik!』に収録されているナンバーをそのまま持ってきたナンバーだからもはや反則。しかし文句の付けようがないこのかっこよさ。こんないけいけどんどんなナンバーを聴き終わったあとにやってくるのは間違いなく祭りの後感なわけで、めちゃくちゃ罪なナンバーです。

その他の解説しておくと、メロディックなリフと疾走感とシャウトが最高な『Bedbugs & Beyond』で歌ってる女性はカリフォルニア州オークランドのハードコアバンド REIVERS のKate Coysh。無名に近いアーティストを起用してのこの仕上がり度、パない。

今回のアルバム、女性ボーカルの起用率が高いので間違いなく感じられるのはStar Fucking Hipstersっぽさだろう。これは勝手な解釈だが、女性にも主張する権利があるんだぜというStzaの思いがあるように感じられる。無名のアーティストを多く起用してるのは、アンダーグラウンドシーンで必至に叫ぶ彼らの存在や主張にもっと目を向けるべきというStzaの思いやりがあるのではないかと。実際、StzaとNoFXのFat Mikeはアコースティック演奏するSamというホームレス女性の動画を見て、共同で彼女をプロデュースさせたという話がある。彼女は Closet Fiends の名で今度Fat Wreck Chordsからデビューする。

色々書いてきたが、個人的に一番好きなナンバーだけ言っておくと『Don't Shoot』だ。ザクザク刻むリフがかっこよく、歌詞がアンチポリス的な歌詞で、Stzaのシャウトがキマってて、一番Leftöver Crackらしさが出てるようなナンバーなので。そんなStzaも今年で40というから、まだまだ頑張ってもらいたい。

最後に、今回のアルバムのクレジットにはEzraの名前は書かれていない。EzraはもうLeftöver Crackのメンバーではないということを我々は再認識しなければいけないが、次はMorning Gloryや再始動したPublic Serpentsとのコラボがあるかなと期待しつつ、他のフォロワー勢の作品も楽しみにしたい。

2015年11月8日日曜日

Leftöver Crack の新譜について

Fat Wreck Chords のサイトに Leftöver Crack の新譜に関する情報が載ってたので、ざっくりと和訳してみました。




--------以下、和訳


噂が飛び交ってるようだね!Leftöver Crackはパンクロックの領域では依然としてミステリアスな集団の一つだ。自己療法のカオティックなミクスチャーと社会を題材にした執拗な主張によって活気づいてきたこのニューヨークシティーの5人組は、伝説的な不法占拠集団Choking Victimが消滅してからも“That Crack Rock Steady Beat”を世界に轟かせ続けてきた。CVの主要メンバーであったScott“Stza Crack”Sturgeon(ボーカル)と Alec“Shibboleth”Baillie(ベース)がいるLöCは、警察国家、宗教、政治の腐敗、下層階級の苦しみ、その他幅広い内容について、皮肉をこめた歌詞と、激しくもゆがんだ歌い方で、批判的に真剣にメッセージを訴え続けてきた。南カリフォルニアパンクの雄Brad“Minus”Logan(ギター)や、最近の戦力であるDonny“skillets”Morris(ドラム)、Chris“the man”Mann(ギター)もメンバーに構え、このバンドが(ついに・・・)本気を出した。

悪名高いLöCのフロントマンStzaとその仲間たちは苦難に満ちた過去があったが、団結して逆境に立ち向かい、成長してきた。バンド初期には、「かつてパンクレコードレーベルEpitaphに招かれ、レコーディングし、その後打ち切られ、都合の良いように人質に取られていた」(バンド談)。2001年にMediocre Genericaをリリースし、続いて有名なプロデューサーSteve Albiniとコラボして2004年にFuck World Tradeをリリースし、それから10年の時が経って2010年代に焦点を向けてきて、彼らは執拗なメッセージと精力的なライブショウによって独自に鋭く成長してきた。

今、14年目にしてリリースする3枚目のフルアルバムConstructs of the Stateが勝負どころだ。これは大きな賭けだと考える人もいるだろう。しかしLöCは決して揺るぎ無い。Stzaによると、「2011年にStar Fucking Hipstersの3作目に没頭していたときからこのアルバムに向けて曲を作り続けてきた。Leftöver Crackの新しいLPのリリースについて唯一気がかりだったのは、先の2枚のアルバムでやってきたことを超えられるかってことだった。俺は基準を満たすまで録音に取り掛からなかったんだ」とのこと。バンドは2012年から新しいアルバムに向けて取り組みを始め、何曲かレコーディングを行っていたようだ。Stzaが言うには「俺たちは数年間このアルバムに取り組んでいて本当に終わりが見えなかった。この春(2015年)に旋律、歌詞、録音できる体勢が突然増加してやってくるまでは。それから俺たちは完全にリリースを待つのみになったんだ」。

11月27日、Fat Wreck ChordsはLeftöver Crackの第三弾:Constructs of the Stateをリリースする。これには豊富なスペシャルゲストが参加している。当然ながらパンクバンドから同じようにヒップホップに影響を受けたバンドだったり、アナーコパンク、クラスト、メタル、スカに影響を受けたバンドだったり、80年代のポップスやビートルズに影響を受けたバンドなんかも参加していて、幅広い影響が詰まっているのが目玉だ。録音にあたって、ある意味最高で反則的な音楽資源をスタジオにもたらしている。それはOperation Ivyの Jesse Michaels、CRASSのPenny Rimbaud、The Dead MilkmenのJoe Jack Talcum、さらには友人や仲間であるThe Bouncing SoulsDark Dark DarkBlackbird RaumMischief BrewDays N DazeChewing on TinfoilThe Riverboat GamblersRats in the WallIntro5pect、そしてカリフォルニア州オークランドで不可欠なクラストパンクバンドReiversの Kate Coyshだ。この悪名高いバンドからこれまで以上の“Atheist Anthems(無神論者賛歌)”や“Crack Rock Steady Beat”を期待して欲しい。彼らは煽り立て、攻撃的で、ファックパンクで、騒々しさがありながらも踊れる不協和音をお届けする。とは言え、彼らの3作目は凄まじいながらもメロディックなカコフォニーであることに変わらず、人種差別、性差別、同性愛嫌悪、警察、政府、ファシスト主義に対抗するという彼らの核心にある倫理観は決して曲げていない。Leftöver Crackはこの崩壊した社会と瀕死にある世界の症状を診断しに戻ってきた。犠牲者の怒りに気をつけろ!