2013年1月19日土曜日

#55 Anti-Venöm



最初に言っておきたいのが、このバンドの1stアルバム "As Soon As There is Justice" が最高の出来だっていうこと。そして、この17曲入りのアルバムがたった1人の男によって作られたってことだ。その男の名は Razz と言い、この男のことについて長々と書かないわけにはいかないだろう。

Anti-Venöm は、Razz(本名:Armando Razo)1人によるメキシコシティ拠点のワンマンバンドである。もともと Razz はハードコアバンドのメンバーだったが、方向性の違いなどの理由によりバンドは解散。それからDIYアーティストとして、AMDJ(2005~2008年)という名でソロ活動することになる。この頃はアコースティックギターを片手に、ロックやパンクとは程遠いような湿っぽい曲を作り続けていた時期であった。

AMDJ として2枚のアルバムをリリース(自宅収録)した後、Razz は2009年に新プロジェクトを立ち上げる。それが Anti-Venöm だ。スカ、パンク、ハードコア、テクノなどを融合した、まさしくクラック・ロック・ステディな曲を1人でレコーディングし始める。まず最初にDemo盤を作製してネット上で公開したところ、これが大反響を呼ぶ。Riot Ska Records のオーナー Chris の目にも留まり、アンダーグラウンド・パンク/スカ・シーンの仲間入りを果たす。そして来たる2010年、Riot Ska Records から素晴らしき1stアルバム "As Soon As There is Justice" がリリースされた。Razz の怒り、悲しみ、絶望、快楽といった全ての感情がこの作品で爆発しまくっています。

なお、ワンマンバンドとは言ってもライブ時にはライブメンバーを引っさげてプレイしている。この辺のスタイルは INFKTD(From The Cradle To The Rave)と似ており、Razz と INFKTD によるフィーチャリングソングも実現している(これがまためちゃくちゃかっこいい!)。また、Razz によって作られた作品は bandcamp にていくつか無料公開されているので要チェック、というか要ダウンロード!

国:
メキシコ

メンバー:
Razz -  ボーカル、ギター、打ち込み
<ライブメンバー>
Rotten - ギター
Alan(Raz の兄弟) - ベース
Chepe - ドラム

活動期間:
2009年~

作品:
2010 - Annihilation of Human Raze Demo
2010 - As Soon As There is Justice
2011 - To Mr. Semmelbeck Bootleg
2011 - Promo CD
2011 - Vampires feat. From The Cradle To The Rave Single
2012 - Planet of The Apes EP
2012 - Another Tough Day of Iliteracy (SSH Cover) Single
2012 - Part II: Generic EP
2012 - (Un)DeadBeats feat. The Stupid Stupid Henchmen Single

※ 一部有料。しかし Unknown Records の bandcamp で公開されている作品については全て無料です。

リンク:
ウェブサイト
ストア
myspace
bandcamp



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