2012年6月30日土曜日

#23 Union Jack


数回にわたってフランスのバンドを紹介していこうと思うが、フランスを代表するクラック・ロック・ステディ・バンドと言えばまず彼らだろう。

1997年にバンドを結成した彼らは現在も活動を続けており、クラック・ロック・ステディ・シーンの中では長寿命のバンドになる。ツアーでは Leftöver Crack と競演し、また自身のレーベル Beer Records を立ち上げて次世代のバンドを世に送り出すなどアクティブに活動し、今やビッグな存在になりつつある。サウンドはと言うと、独自の"バッド・スカ"を基本姿勢としながら常にアングリーなスカをプレイし続けてきた。

バンド初期にはホーン隊員がおり、この頃はまだ Choking Victim のカバーなんかをやりながら比較的軽快なスカを演奏していた。2003年からはDJがサポートメンバーとして加わることでサウンドが一変。スクラッチを取り入れたクラブミュージック風のスカを作り上げ、さらにボーカルのシャウトやギターのディストーションを増強させて迫力ある"バッド・スカ"へと進化させていった。現在はアルバム製作中であり、どんな進化が見られるのかこれからも見逃せないバンドだ。

国:
フランス

メンバー:
Tom - ギター、ボーカル
Rude Ben - ベース、ボーカル
Skrack - ドラム
Low Cut - スクラッチ(サポートメンバー)
Mr No - サックス(サポートメンバー)

活動期間:
1997年~

作品:
2001 - Yellin' In Your Ears
2002 - Bad Ska EP
2002 - This Is Rock & Roll EP
2003 - We Are The Wolves EP
2004 - You Don't Really Know Who I Am EP
2007 - Songs From The Grave(The Gerbsとのスプリット・アルバム)
2009 - Tales Of Urban Freedom

ウェブサイト
myspace



2012年6月17日日曜日

#22 Power Corrupts


イギリス出身のCRSバンド。元々はWar Against Reasonというバンド名でやっていて、その時に5曲入りのDemo盤を1枚製作している。Dead KennedysやPoison Idea、Circle Jerksといった(なぜかUS勢の)80'sハードコアパンク・バンドの影響を強く受けている彼らは、その先人たちを超絶したファストなテンポと重厚なギター音で攻め立てて、怒りを真正面にぶちまけた絶叫ハードコア・サウンドを基本スタイルとしている。かと言ってスカを演奏させてもその凶暴さは変わらず、ぶち切れそうなハードコア・ビートの中にいきなり性急スカ・ビートを展開させてくるのだから危険な奴らだとしか言いようが無い。

国:
イギリス(イングランド)

メンバー:
Dullah - ボーカル、ベース
Tich - ボーカル、ギター
Tommy - ドラム
Pancho - ギター(2003~2006年)

活動期間:
2003年~

作品:
2003 - Demo
2007 - War Against Reason
2008 -  Power Corrupts & Big Difference spkit 7(Big Differenceとのスプリット・アルバム)

myspace



2012年6月16日土曜日

#21 The Dumpers


これまで紹介してきたのはほとんど欧米のバンドだが、南半球にだってCRSバンドは結構いるのだ。本バンドは、オーストラリア発の3ピースCRSバンドである。
一瞬、Stzaのバンドかな?と思ってしまうほどボーカルの声がStzaの声に似てるし、全体のサウンドもなんだかChoking Victimっぽい。スタイルはCVに似てるけど曲は完全にオリジナルだし、ノリの良さだって本家に負けていない。でも驚きなのはベーシストが学校の教師だったってこと。元教師が"Lets Go Kill All The Cops"なんて歌っちゃっていいのかな(笑)

国:
オーストラリア

メンバー:
Bloke - ボーカル、ギター
Aido - ベース
Matt Roberts - ドラム

活動期間:
2002~

作品:
2003 - Business as Usual

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2012年6月10日日曜日

#20 The No Service Project


CRSバンドの中でもとりわけキャッチーで、時に美しいメロディを奏でる特異なバンドである。2001年に結成して10年経った今はかなり大人しく落ち着いたバンドになっているが、CRSバンドに部類される所以はバンド初期にある。彼らの初作品"So Awesome It Hurts"を聴けばすぐに分かるが、かなり速いスカ・ビートを鳴らしてボーカルが早口で荒々しく歌っていたのだ。言ってみれば、歌い方はNo-CashのChrisそのものだった(というか、実際Chrisがゲスト・ボーカルとして参加している曲もある)。荒々しくも爽やかさ溢れるNSPサウンドに酔いしれてみてはいかがだろう。

国:
アメリカ

メンバー:
Adam Witner - ボーカル、ギター
Elliot Lozier - ギター
Joe Conrad - ベース、ボーカル
Tim Fairchild - ドラム
Christine Sabol - キーボード、パーカッション

活動期間:
2001年~

作品:
2003 - So Awesome It Hurts EP
2005 - We Are The Music Makers
2009 - Return To Paper EP

ウェブサイト
myspace


2012年6月9日土曜日

#19 Canon Law、The $hake-Up!



前回紹介したイギリスのバンド From The Cradle To The Rave と同じように、エレクトロなサウンドで人気を博したCRSバンドはアメリカにもいる。Canon Law がそれだ。
2001年にバンドを結成し、当時は普通のスカコアを演奏していた彼らは2004年に活動を一旦休止する。それからサイド・バンド The $hake-Up! が結成され、途中からはキーボーディストが加入して心地良いシンセサイザーの音を乗せたCRSビートを演奏するようになる。
バンドは間もなく解散し、2007年に再び Canon Law が活動し始めることになるが、気持ち悪く踊るシンセ音を前面に出したゾンビ・テクノ、エレクトロ・グラインド・スカを爆発させる。その斬新なサウンドが話題となり、アメリカの某パンク通販サイトではアルバムリリース後に売り上げがかなり上位までいったとか。ボーカルのKirkは現在、音楽をやめてタトゥー・アーティストになっている。

国:
アメリカ

メンバー:
<Canon Law>
Kirk - ボーカル
Sam - ギター
Justin - ベース
Mike - ドラム
Shannon - キーボード

<The $hake-Up!>
Kirk Nilsen - ボーカル、ギター
Dylan Meyer - ギター
Dan The Man - ベース
Mark Taggart - ドラム
Shannon McCabe - キーボード

活動期間:
<Canon Law>
2001~2004年、2007~2009年

<The $hake-Up>
2005~2007年

作品:
<Canon Law>
2007 - Fall Demo
2009 - Boogie Man Slam Dance

<The $hake-Up!>
2005 - Pre-E.P. Demo
2005 - Demo
2006 - Drop The Bombs E.P.
2006 - Death = Profits
2006 - Fuck New Jersey

ウェブサイト(Canon Law)
ウェブサイト(The $hake-Up!)
myspace(Canon Law)
myspace(The $hake-Up!)



2012年6月3日日曜日

#18 From The Cradle To The Rave


バンド Cot Death でクラック・ロック・ステディとドラムンベースを融合させることに成功し、Riotstep という新しいジャンルを築き上げたINFKTDが2009年から始めたバンドである。要は Cot Death の進化形とも言えるバンドで、My Own Religion のスカ・メタル・コアな雰囲気も残していることを忘れてはならない。From The Cradle To The Rave は基本的にはINFKTDによるソロ活動だが、ライブ時にはサポートメンバーを牽引してライオット・サウンドを轟かせている。ズンズン迫るような電子音と低音で唸るベース、高速ドラムビート、そしてINFKTDの絶叫ハードコア・ボイスが危険極まりない凶暴サウンドを生み出している。Riotstep を体感するために、まずは1stアルバム "A Nightmare On Wall Street" から聴くべきだろう。

国:
イギリス(スコットランド)

メンバー:
INFKTD
Rawsko
Special Ed
Chris
Garry
DJ Fly-T

活動期間:
2009年~

作品:
2009 - Bit Rot Demo
2010 - A Nightmare On Wall Street
2011 - Track The Virus(Beng Beng Cocktail、Atrocity Solution、My Own Religionとのスプリット・アルバム)
2011 - The Seven Deadly Singles EP
2012 - Tales From The Raveyard Vol 1.


2012年6月2日土曜日

#17 My Own Religion, Cot Death , The Infekted

その名を INFKTD と名乗るスコットランドの暴動スカ王子は、常に騒がしい暴動サウンドを求めて新しい試みを続けてきた飽くなき男である。ついにはクラック・ロック・ステディとエレクトロニカをミックスさせた Riotstep というジャンルを作り上げて、シーンに新しい風を吹かせた。




まず、My Own Religion は INFKTD による最初のバンドである。当時はスカ・メタル・コアバンドなどと呼ばれていたが、このときはまだサウンド的には Choking Victim 系統のクラック・ロック・ステディだった。2001年に結成してから2枚のDemo盤を製作するも、2003年に突然の活動休止。




My Own Religion が活動を休止して数年が経った2006年に、新たなメンバーを迎えて活動を再開する。その頃サイドプロジェクト・バンド Cot Death も同時に立ち上げ、ドラムンベースと呼ばれるダンスミュージックをサウンドに取り入れていった。この時すでに Riotstep というジャンルは確立したと言えるが、INFKTD はソロプロジェクト The Infekted でホラー系ドラムンベースサウンドを生み出してRiotstep のイメージをさらに築き上げていった。もちろん My Own Religion としての活動も平行してやっていたが、2009年にメンバーが脱退して再び活動休止状態となる。しかし、Riotstep という新しいジャンルを確立させた INFKTD に迷いは無く、新たな Riotstep バンド From The Cradle To The Rave を始動させるのである。



国:
イギリス(スコットランド)

メンバー:
<My Own Religion>
INFKTD - ボーカル、ギター
Cock Rock Rosco - ギター
Dave Stalin - ベース
Mutha Trapeeza - ドラム

<Cot Death>
Dread Kid - ボーカル
The Terrorist - ギター
Stalin - ベース
Motha Trapeeza - ドラム
Special Ed - ギター、ドラム、ベース

<The Infected>
INFKTD - DJ

活動期間:
2001~2003年、2006年~2010年

作品:
2001 - Honk!! If You Love Satan(My Own Religion)
2002 - Even The Score(My Own Religion)
2007 - The Digital Cacophony Of Global Decay(Cot Death)
2009 - Dot SK(The Infekted)
2009 - God And The State(My Own Religion)
2009 - Everybody Gets Fifteen Minutes(My Own Religion)
2010 - Antibody(The Infekted)
2010 - Division By Zero/Bitter Things(oundphreakers/Infekted)
2011 - Track The Virus(Beng Beng Cocktail、Atrocity Solutionとのスプリット・アルバム)

myspace(My Own Religion)
myspace(Cot Death)
myspace(The Infekted)